「尾州廻船内海船船主 内田家」とは

【「内田家」とは】

 尾州廻船内海船船主びしゅうかいせんうつみぶねふなぬし 内田うちだ家は、 内海船を代表する有力船主であった内田家によって造られた明治初期の建造物です。
 多くの廻船を所有していた「内田佐七家さしちけ」の家屋と、その船頭として活躍し、佐七家の娘婿となった人物を初代とする分家の「内田佐平二家さへいじけ」の家屋から成っています。


【内海船とは】

 江戸時代、物流の主役は船でした。尾張の国の人が所有する荷物運搬用の大型船を尾州廻船びしゅうかいせんといい、このうち内海やその周辺を拠点としたものを内海船うつみぶねと呼びました。全盛期には100艘もの船を抱えた巨大集団で、瀬戸内海から江戸にかけて広く活躍しました。
 同じ時期の廻船には樽廻船や菱垣廻船などがありますが、積荷の運賃を利益としたそれらの船とは異なり、内海船は生産地で買い取った商品を運んだ先で売却するという「買い積み方式」を取っていました。
 また、商人や資本家からもまったく独立していたため、大きな利益を上げました。


内田佐七家

▲ 主屋

【内田佐七家とは】

 内田うちだ佐七さしち家は、平成20年に南知多町の文化財に指定された明治初期の建造物です。内海船を代表する有力船主であった2代目内田佐七によって造られました。
 太平洋側に現存する廻船船主の家屋の中でも大規模なもので、当時の船の船材が部分的にではありますが残されています。


【内田佐七家のつくり】

 内田佐七家は、主屋、座敷、いんきょ、新納屋および複数の小屋と蔵から構成されています。
 最も古い主屋・座敷部分は、棟札や古図などから明治2年(1869)に竣工したことが確認できます。
 屋敷構えは庄屋格相当の規模と格式を備えており、廻船主の屋敷として数少ない貴重な遺構です。


▲ 主屋内 にわ

【主屋】

 日常の生活を送った主な建物です。南北3室、東西2列の六間取むつまどりを基本とした造りとなっており、中央奥の部屋が仏間と神屋に分かれているのが特徴です。広く作られた神屋には金刀比羅宮(航海安全)をはじめとした神が祀られており、廻船主の信仰の深さがあらわれています。
 「にわ」と呼ばれる土間にはかまどや井戸が設けられ、炊事や仕事場として使われていました。上方には太い梁を組んだ豪快な小屋組が見えており、かまどの煙を外に出したり、明かりを取るための窓が設けられています。




▲ 座敷 左手前:次の間 右奥:上の間

【座敷】

 この屋敷で最も格式の高い建物であり、「上の間」「次の間」「茶の間」「奥のこま」から構成されています。内海船船主の組合「戎講えびすこう」の寄り合いや、冠婚葬祭など特別な場合に使用されました。
 特に「上の間」は、付け書院、床の間、床脇の座敷飾りが設けられ、木目の美しい天井板は屋久杉といわれています。
 「茶の間」は三畳三台目(台目:一畳の4分の3)の広さで、窓や天井などに数奇屋造の特徴があらわれています。茶室の機能と同時に、広間の水屋としての機能も備えています。



▲ 座敷の南縁からのぞむ主庭 左下が露台

【庭園】

 この屋敷には座敷「上の間」「次の間」の南側にある主庭、および北側の「茶の間」に面する小庭と主屋の前庭、合計で3つの庭があります。
 主庭は張り出した露台を中心に構成されています。端正な手水と石灯籠とが主景を成しており、津藩の藤堂家から贈られた鞍馬石・根府川石をはじめとした大振りの庭石の力強さも特徴です。対照的に「茶の間」に面した北の小庭は、侘びた雰囲気の落ち着いた造りとなっています。
 主屋の前庭は、かつては塀で仕切られた小庭でした。縁の前にある四角の立ち手水は回転する珍しい仕組みになっており、屋敷が使われていた当時は季節に合わせて模様を変え、楽しむことができました。



▲ いんきょ1階

【いんきょ】

 老夫婦のための別棟の建物です。主屋から少し遅れ、明治5年(1872)に完成しています。
 明治7年(1874)には、知多半島で3番目の郵便局である「東端ひがしばた郵便取扱所」も開設されました。
 1階部分には、内海船でかつて実際に使われていた道具や、船の模型等も展示されています。また、下の紹介映像の完全版も、こちらの建物で常時放映しています。




紹介映像

DVD「内海大航海 文化を巡る~尾州廻船・内海船~」ダイジェスト版(5:23)

※完全版の映像(18分程度)は、公開時の内田佐七家「いんきょ」にて常時放映しています。
 また、南知多町社会教育課、町民会館図書室、観光案内所で貸出しも行っています。
 ご希望の方は南知多町社会教育課までお問い合わせください。



【お問い合わせ】

担当:南知多町社会教育課(南知多町総合体育館内)
電話番号:0569-65-2880
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